怖い話
「梅田行ったら特別なんかしてるわけでもないのに疲れるの何なんですかね。」
「それは"疲れて"るんじゃなくて"憑かれて"るのよ。」
居酒屋の奥さんがカウンター越しに突拍子もないことを言うので、はぁ?と思った。
「梅田とか人が多いところに行くと人の思いみたいなのが渦巻いていて、生霊みたいな感じでそれを憑けて帰ってきてしまうのよ。だから、そういう時は熱いシャワーで背中を流すと疲れがグッと取れるの。憑かれが取れて、疲れが取れるのよ。」と続ける。
俺は内心では単純にシャワーを浴びたら血行が良くなって疲れが取れるだけだろと思いなら、「そうだったんですね。それは怖いですね。」と驚いといた。
何でもかんでも霊やスピリチュアルのせいにする人のことをなんやそれと思う。まあそれは、霊もスピリチュアルも信じるには自分自身にそういった体験がなさすぎるから、受け入れられへんだけなんやろう。
幽霊が出るトンネルはヤンキー達が遊ぶために代々受け継がれている嘘やし、テレビの心霊写真は視聴率稼ぐための捏造やろうし。梅田に行ったら疲れるのは意外と歩いてるからやろ。
フラフラそんなこと考えながら終電に乗って家に帰った。確かに今日も特に何貸したわけでもないのに疲れた。家に着くとパジャマに着替えて、歯だけ適当に磨いて寝た。
めちゃくちゃ嫌な夢見て起きると窓の外からゴミ収集車の音楽が聞こえてくる。
これのせいかと思う。ゴミ収集車の音楽に憑かれてしまったのでいったん起きてシャワーを浴びて、もう一回寝た。休日は寝かせてくれ。
ほな。